蝉の幼虫は巣穴から出てきて、羽化までの絶対時間の中で天敵から身を隠すための最適な場所を必至に探すらしい。その結果、樹の幹であったり、民家の門柱や壁であったり、木の葉の裏であったりする。
銀杏の葉に残された抜け殻は風が吹くとゆらゆらと揺れ、まさに空蝉そのものの姿を垣間見るような気分にさせられる。
日本ではもののあわれのイメージが強いが、中国では古くから生き返りや復活の象徴とされ、古代ギリシャでは装身具などに美と幸福そして平和の象徴としてセミのデザインがある。
写真:今年はじめて観たセミの抜け殻。渋谷区の金王神社