多摩川の堤で泳ぐ鯉のぼり。
甍も見かけなくなったし、マンションでは鯉のぼりを泳がすだけの棒を立てることもできない。
鯉のぼりは小さくなり、部屋の中かベランダで泳ぐようになった。
大きな鯉のぼりは、川の堤や川の両岸をまたいで、或いはビルとビルの谷間やショッピングモールのイベント広場で泳いでいるらしい。
かつては裏山に登れば唄の通り甍の波に鯉のぼりが泳ぐ光景がよく見え、「あの家に男の子が生まれたんだよ」などと話した記憶も残っている。昭和30年代のことである。
堤で泳ぐ鯉のぼりと戯れている家族連れなどを見ていると、多摩川の鯉のぼりもそれはそれで、なかないいものでもある。